回顧編

 2017年5月5日、チリ・アンタファガスタのバスターミナルで
小さなリュックを置き引きされました。

 以来8月中旬に新しいノートPCを手にいれるまでの約3か月間は、
スマホを使ってブログ記事を書いていました。
その間のブログに写真は掲載されず、短い文章のみでした。

 2017年10月3日に帰国後、この間に撮りおいた写真を整理し、
思い出しながら、改めて写真付きの記事をアップしています。
「回顧・XXX」とある表題の記事は、そんな理由で書かれたものです。

回顧・アスワンはアッチッチ

2017年7月19日(水)

朝、部屋のベランダから眺め、ナイル川がゆったりと流れていた。

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ホテルからルクソール駅へ行き、急行を待つ。

ルクソール発の列車は事故のため発車が2時間遅れの午前10時30分。

世界旅行すれば、こんな遅れは当たり前でもう慣れっこになった。

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エジプトの1stクラスの列車は快適そのもの、ヨーロッパのそれと遜色ない。

カイロからルクソールまでの約500kmは飛行機だったので、

風情も旅情もあったものではなかったが、

ルクソールからアスワンまでの200kmは列車旅。

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ナイル川の氾濫で堆積した肥沃な土壌のおかげで、川に沿って走る鉄道の車窓からは

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緑の農作地が続いている。

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沿線から見える家々には人影が見えない。

完成した家なのか、それとも廃墟なのか分からないが、

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TVのアンテナがある家は人が住んでいるのだろう。

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アスワン駅に着いたのは午後2時。

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アチイー! あっつ、熱い!

エアコンがきいた1stクラスの列車の中では感じなかったが降りた途端、

太陽から熱刺線が容赦なくふりそそいで来た。

気温はおそらく50度は越えている。

カイロもルクソールも暑かったが、ここアスワンは「暑い」ではなく「熱い」

ホテルは駅から歩いて8分ほどにある安宿(800円)にチェックインした。

お湯の出るシャワー室があるからこれで上等。

難を言えば、ハエがうるさいことと、WiFiがつながりにくく、

つながっても勝手にきれること。

ホテルを出て、通りの屋台で朝食兼昼食のミックス野菜を包んだパイを食べた。

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東岸側にあるホテルから歩いて20分ほどにあるナイル川の船着き場から、

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20人乗りほどのボートで西岸側に渡る。

西側には町らしいものはなく、ヌビア人の村があるだけで、あとは岩窟墳墓群と砂漠だけ。


乗り込んだボートには観光客がひとりもいない、ヌビアの村人だけらしい。

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10分ほどでナイルを渡り、ボート乗り場に着いた。

ボートを降り、見上げると目指す岩窟墳墓群はかなりの高さだ。

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人待ち顔のラクダのそばにいた御者と値段交渉してから、ラクダに乗せてもらう。

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坂を登りきった墳墓群の入り口でアラビア服を着たスタッフにチケットを切られ、

そのまま墳墓の中に案内された。

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後でチップと言われるんだろうな、、、。

各墓遺跡の入り口は施錠してあり、内部の照明も中に入れないとスイッチオン出来ない。

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ひとりでは回れないシステムになっている。

それに経路は複雑で岩山を上ったり、下ったり、墓の内部で狭い穴をくぐって抜けたりで、

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とてもガイドなしでは身動きできない遺跡だ。

案内された墓の内部には壁画が色鮮やかに残っていた。

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この人骨のかけらは何千年の前のものだろうか?

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墓の内部では写真は撮り放題。ガイドと歩くこと40分。

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最後に丘の上から対岸にあるアスワンの町を眺めた。

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ラクダに乗ってヌビア人の集落へ行く。

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村中は歩く人は誰もおらず、閑散としていた。

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ラクダを待たせ、婆さんふたりしかいない土産屋兼休憩所みたいな家に入り、

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冷たい水と熱いミント茶を飲む。


ボートでナイル川を渡り町に戻った。

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ナイル川にはフルーカと呼ばれる白い帆のヨットが観光客を3,4人乗せて遊覧している。



夕方ホテルを出て、ビールを求めてまち歩き。

道々ビールの飲めるレストランを聞きながら、1時間も歩いた。

町の人とふれあい、町の通りをあちこち見て歩いているから、

これもれっきとした「まち歩き」だ。

地元のビール「ステラ」が飲める屋外バーにたどり着き、めでたくビールで乾杯。

ホテルへの帰りは20分で済んだ。


回顧・ルクソールで安息日

2017年7月18日(火)

カイロ空港発午後5時30分エジプト航空便でナイル川を南下し、ルクソールへ向かう。

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ナイル川が眼下を流れているはずだが、機上からは見えない。

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ルクソールには午後8時に着いた。

空港のタクシー乗り場で拾ったドライバーは英語を話せた。

名前はハツサン。 いろいろ話してみて彼なら信用できると思い、

ここに戻って来た時のガイドをお願いすることにした。

つまり、明日ルクソールを発ち、ナイル川沿いを鉄道で南下してアスワン、

さらにアブシンベルを観光して、再びルクソールに戻るのは4日後の日曜日。

その日に迎えにきてもらいそのままガイドをお願いする。

そうと決まれば、アスワンまでの列車の予約を彼にしてもらうために、

まずはルクソール駅に向かう。

明日のアスワン行きの列車の1stクラス、

4日後にアスワンからルクソールに戻る1stクラスのチケットを買ってもらった。

窓口で英語を話して買うより、ドライバーのハッサンがアラビア語で

列車の時間やクラスのやり取りをしてくれるたのでずっと楽にできた。

駅から予約したホテルまで行き、

4日後の11時にルクソール駅に出迎えしてもらう約束をしてハッサンと別れた。

ホテルに着いたのは午後9時。イータベイホテルは五つ星だ。

ホテル検索サイトのブッキングドットコムでたまたま安売りを見つけ、

通常1泊15000円のところ2500円で泊まれる。

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ホテルはナイル川のすぐそばに建てられている。



部屋には完璧な設備と環境、つまりシャワー室、エアコン、

トイレにはトイレットペーパー、部屋にはゴミ箱、

バスタオルにフエースタオル、シャンプー、ボディソープ、グラス、灰皿、メモ用紙。

これまで泊まったホテルにはそのほとんどがなかったと言っていい。

特にエアコン完備はエジプト滞在中唯一このホテルだけだった。

40度近いエジプトの暑さの中、扇風機だけで寝るのはつらいものがあった。


ホテル内のレストランではビールも飲める。

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一番満足したのは、部屋の中にゴキブリも蟻もハエも、

そしてあのにっくき蚊も南京虫もいないことだった。

一晩だけの安息日、ぐっすりと、おーやーすーみ なさい。



回顧・ギザの三大ピラミッド

2017年7月17日(月)

ギザのピラミッドは悪名高いことで有名らしい。

騙されたり、ぼられたりしないよう心に誓ってギザ前でタクシーを降りた。

入り口にいた警官にチケット売り場を聞く。

この坂を行けと指差された。

上り始めるとすぐラクダ引きや店のあんちゃんが声をかけてきた。

ニイハオ、チヤイニーズ!

無視すると今度は、コンニチワ、ジャパニーズ!だ。

坂の途中でチケット売り場はこっちだよと声をかけられた。

警官は坂を指差しただけなので、チケット売り場はこっちなのかと左折して歩いていくと、

そこはラクダと馬車がいて業者がたむろしていた。

道で声をかけた奴と業者の連係プレーだった。

チケット売り場は2か所あり、こちら側とだいぶ離れた反対側にもある。

ラクダに乗せて反対側へ連れて行く魂胆だったらしい。

そう簡単にラクダに乗せられ、お金をぼったくられる訳にはいかない。

元の道に戻り、坂道を5分も歩き、あがりきるとチケット売り場はあった。

改札口で荷物をセキュリティチェックに通す。

人体チェックのゲートの前で携帯をゲート脇に置き、通過する。

その時係官がRay次郎の携帯を取り上げ、小走りに先へ行き、

前を歩く外人観光客に声をかけた。

「誰か携帯忘れてますよ!」

おい、おい、それ俺のだよ!ゲートを抜けて係官を追いかける。

「俺のだよ、その携帯!」

「そうか、そうか、お前のか、Take care! Tip,Tip!」

なにがチップだ、見えすいた芝居して、まったく!


出ました、ピラミッドの中の王様、クフ王のピラミッド。そのばかでかいのに圧倒される。

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若者が近づいてきて、自分の胸にさげたカードを見せながら、

「おれはオフィシャル」だと言う。

ピラミッドの内部に入るチケットはあるか?と聞くので、

普通のチケットを見せて内部に入るチケットは買ってないと答えた。

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それならこっちに来て、と見せたチケットを取り上げ、先をずんずん歩く。

3分ほど歩いた所で、ここから写真を撮ると3っのピラミッドが綺麗に並んでいる。

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「案内料として、チップ!!」

何、何?胸のカードをむりやり見た。

カードを良く見ると「Horse Man」と書いてある。オフィシャルな馬の御者か?

ややこしいカードなんか出すな!

「ガイドしたから、Tip! Tip!」とうるさい。

俺はお前にガイドをたのんだ覚えはないよ!

チケットを取り上げ、ホースマンを無視してひとりで歩き出す。

どこまでも付いてくる。全くしつこい。

無視、無視、最後は根負けして退散してくれた。

いきなり騙し技、3連続とは恐れいった。

その後もラクダ引き、馬乗り、馬車引き、物売りと次々に声をかけられた。

欧米人はラクダに乗ったり、馬車に乗ったりしているが、

それでも観光客より業者の数の方が多く、

あふれた客待ち顔のラクダが退屈そうに屈みこんでいる。

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観客立国のエジプトのメインスポットがこの状態なのだから、

経済の疲弊は目をおおうばかりだと想像できる。



ホースマンが退散した丘からカイロ市内を眺める。

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クフ王のピラミッドからカフラー王のピラミッドへ。歩くと20分ほどかかる。

途中、地元の青年に声を掛けられ一緒に記念写真を撮った。

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そこからさらに20分、メンカウラー王のピラミッド。

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日陰の全くない道でこの暑さ、熱風が歩く体全体に襲いかかる。

帽子を被り、首には濡れタオルを巻き付け、手にはウォーターボトル。

タオルは1時間で乾き、ボトルの水はねるま湯になるが、

あっという間に飲みきって空っぽ。

一番遠いメンカウラー王のピラミッドからの帰り道、

物売りのあんちゃんにつきまとわれた。

小物の雑貨を袋に入れてかかえ、手にはTシヤツツ、「1ドル!」と言って品物を見せる。

しばらく一緒に並んで歩いていたが、しびれをきらしてTシヤツツをRay次郎の首にかけて、

あんたにプレゼントだ、と言う。

近くにいたピラミッドを監視している制服のガードマンに叫んだ。

「He is pushing me ! No good ! No !

「ピーツー 、ピーツピー !」

監視員が警笛を鳴らして押し売りのあんちゃんをけちらしてくれた。




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スフィンクスさんを拝む。ツタンカーメンのような長いあごひげをつけていたそうだが、

ひげだけ大英博物館にあるとか。

鼻はアラブ人に削られ、滑稽な顔を現代人にさらしている。

しらっとした顔でいつまてたっても同じ方向を見ているが、

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それを見るこっちの顔は汗だくだ。

歩くこと3時間半、エジプト2日めも暑さと疲れでグロッキー状態。

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ホテルに戻り、シャワーを浴びる。

このホテルはビールの飲めるバーはあるが、料理は出ない。

フロントにビールの飲めるレストランは、と聞くと

向かいの小路の右側のレストランで飲めると教えられた。

今日も無事にビールにありつけた。

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回顧・エジプト入国の長い一日

2017年7月16日(日)

深夜2時、エジプト.カイロ国際空港第3ターミナルに着いた。

エジプト入国にはビザが必要だが、アライバルビザ申請はいたって簡単だ。

税関の前にある銀行の窓口で25ユーロを払い、シールを購入する。

それをパスポートの空いているページに貼るだけでオーケー。

深夜に到着したので公共交通機関はまだ運行していない。

空港ロビーのチェアーで3時間ほど仮眠した。

朝6時、空港の外に出た。

来ました、来ました、タクシードライバーの群が、次々と。

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料金はと聞くと、だいたいどのドライバーも150~200エジプトポンドだと言う。

ガイド本ではタクシーの相場は70ポンドと書いてある、2~3倍ではないか。

いい加減にししろ、エジプトのタクシードライバー!そろいもそろってボリかます気か?

第3ターミナルから第1ターミナルまでシャトルバスが運行していて、

その途中に市内行きのバスターミナルがあるはずだ。

ターミナル前でシャトルバスを待つがなかなか来ない。

シャトルバスは通常頻繁に往復を繰り返すはずなのに1時間半も待たされた。

シャトルバスで着いたバスターミナルでも、市内行きのバスに乗るのに30分待たされた。

バス料金はガイド本に書いてあった料金の倍になつていた。

カイロの中心地広場についてから歩いて20分、予約していたジャマイカホテルに着く。

このホテルにエレベーターはなく、重いリュックを背負って三階のレセプションへ。

受付のあんちゃん、ハローでもなければ、ウェルカムでもなければ、

苦虫を噛みつぶした顔で、言葉も発せずスマイルもなし。

でも、あんちゃん、しゃべることは出来るらしく、誰かに電話した後、

「マネージャー」と言って携帯を渡してくれた。

英語の話せるマネージャーが出た。

「12時までチェックイン出来ないので待って欲しい」

WiFiのパスワードを聞き、「オーケー!待つことにするよ」

しかし、WiFiが上手くつながらない。荷物をあんちゃんに預けて外に出た。

近くのマックでエッグマフィンとコーヒーで朝食をたべながら、ネットを開く。

エジプトポンドの為替相場を調べてみた。

ガイド本では1ポンド15円とあるが、今はなんと7円に急落している。

経済記事を見た。エジプトは昨年の11月に固定相場から変動相場制に移行したらしい。

市場はそれと同時にエジプトの政状不安と観光の落ち込みを嫌気して、

一気にポンドを投げ売した。

ポンドの価値は下がり、物価は2~3倍に跳ね上がった。


さっきのビザ申請料金はユーロで払ったのでガイド本に書いてある通りだったが、

タクシーもバス料金も今のエジプトの物価高の現状を反映したものだった。


ジャマイカホテルではWiFiがつながらない。しかもバスは共用だ。

そこで思いついた、8日後にカイロで予約してあるロータスホテルが近くにあるはずだ。

行ってみると案の定、部屋は空いていた。

WiFiは切れることなく、エレベーターあり、専用バスあり、ビールが飲めるバーもある。

中心広場まではジャマイカホテルより近い。

さっきのジャマイカホテルをキャンセルしてロータスホテルに移動しよう。


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ロータスホテルの部屋に落ち着いたのは正午。

30度を優に超えている暑さと重いリュックを背負って歩いた疲れと、

寝不足でダウン寸前、クーラーをガンガン効かせて昼寝をした。




夕方起き、ガイド本にあった日本料理レストラン「おかし」へ行くことにした。

レストランはナイル川に面して建てられた五つ星のホテルの中にある。

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揚げ出し豆腐、にぎり寿司、味噌汁でエジプト入国を祝い、独り乾杯。

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こうしてエジプト入国の長い一日が終わった。