サリンジャー、「オリーブ畑でつかまえて」

2017年6月17日(土)

風車の村、クリプタナは列車が着いたサンフアン駅から8キロ。

ガイド本ではタクシーで移動するとしか書いていない。

昨日着いた時、駅員さんにほかに行き方はないかと確認した。

バスは無し、列車はあるが4時間掛かるということだった。

ガイド本の言う通り移動はタクシーしかない。

今朝ホテルのレストランで朝食を食べたあと、タクシーを呼んでくれと頼んだ。

ホテルオーナーのおじさんが電話してくれたが、ダメだったらしい。

身振りで自分が送るというので、お言葉に甘えることにした。

乗せてくれた車はやせロバのロシナンテではなくサラブレッド、ベンツのセダン。

5分も走らないうちにこの村の小さな駅に着いた。

おじさん、おじさん、ここから乗ったら4時間かかってしまう。

行きたいのは8キロ離れたサンフアン駅だよ!

おじさん、しまったという顔をしてサラブレッドをUターン。

自分のホテルに戻り入口に鍵をかけ、競争馬に鞭打って100キロの猛スピードで走る。

おかげで発車15分前に駅に着いた。

グラシイヤスと礼を言って、お金を渡そうとしたが、受けとってもらえなかった。

親切なドンキホーテ。


前ぶりがながかったが記事の本題に移ろう。

サンフアン駅から途中のグアデクス駅まで3時間。この駅で待ち合わせすること3時間。

さらにグラナダまで1時間半と、ほぼ1日かけて移動する鉄道旅が今日の予定だ。

列車に乗って最初の1時間は登り。周りの風景は原生林や岩山だったが、

登りきってなだらかな高原地帯に入るとオリーブ畑が見えてきた。

線路に近い平地に整然と植えられたオリーブの列が並び、起伏のある丘にも、

さらに遠い小山の麓にも、見渡す限りオリーブ、オリーブ、オリーブ畑。

日本の農家がこんな山奥の斜面にも棚田を作って、稲を栽培するのと同じ発想で、オリーブ畑が作られている。

しかもこの風景、グアデクスに着く2時間の間ずっと続いた。

日本でいうなら、仙台駅を出発した新幹線が青森駅に到着するまでの約350キロ、

車窓から見えるのはオリーブ畑しかないということになる。

生産地はたしか地中海沿岸のイタリアとかギリシャといった年中温暖な地方だと思っていた。

日本にしても瀬戸内海に囲まれた温暖な島、小豆島がオリーブでは有名なはずだ。

気になったのでネットで調べてみた。

世界の生産高のうちの30%、年間1100万トン生産している。

第2位のイタリアが590万トン、3位のギリシャが400万トンと二つの国を合わせてもまだスペインには敵わない。

段トツの世界一だ。

消費量は、イタリアが第1位で800万トン、スペインとギリシャが同じ340万トン。

イタリアは自国の生産では足りずに輸入し、スペインでは余った分を輸出している。

さらに調べた。

受粉して花を咲かせるのが春夏の時期。

青い実がなり茶色く成熟し、収穫するのは秋になる。

いま見えるオリーブの木には花も咲いていないし、実もなっていない。

耐用年数は10年。

耕されたばかりの茶色の畑、高さ50センチばかりの幼木の畑、

子ども、青年、壮年、老年の木と様々な世代の畑があるのもうなずける。


グアデクスからのグラナダまでの1時間半も同じ風景で、

これはもう青森を突き抜けて札幌まで来てしまった。



最後にスペイン人のカフェでの朝食のひとこまを再現して、

「オリーブ畑でつかまえて」の記事を終わりにします。

縦に半分に切られたパンをカリカリに焼き、細長いお皿状にしてふたつ並べる。

ひとつのお皿パンにまずオリーブオイルをたっぷりとかける。

こげ茶色したパンが、薄緑に変わり光りをはじく。

スライスしたトマトをパンの上に載せる。

生のニンニクをナイフで小さく刻みながら、トマトの上にまぶす。

残しておいたもうひとつのお皿パンをかぶせる。

一体になった細長いパンにナイフを入れ、半分にする。

断面側から一口がぶり。

うっ?オリーブオイル足りない。

オイルを断面に注ぎたす。

20センチほどの高さがあるオイル瓶がここまでで三分の一くらいにまで減ってしまった。




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