アラビアのロレンス現る

2017年6月29日(木)

往年の名画、マイベストテンを挙げると、

1) アラビアのロレンス
2) ドクトル ジバゴ
3) 第三の男
4) ベンハー
5) 大脱走
6) 卒業
7) 七人の侍
8) ヒッチコックのサイコ
9) スタンドバイミー
10)チャップリンの街の灯

段トツ第1位のアラビアのロレンス。

高校3年生の時にこの映画を観て砂漠に憧れた。

大学を卒業したら商社に就職して、石油関係の仕事について砂漠へ行きたいと真剣に考えた。

結局は機械屋になって、海外出張はあつたが、砂漠とは無縁だつた。

ここワルザザートに着き、地球の歩き方で見所を探したら

(だいたいこんな風に着いてから読む、のんびりタイプ)


なんとアラビアのロレンスの映画ロケ地になった所が三ヵ所もある。知らなかった。

ロレンス大ファンとしてこれを見逃すわけにはいかない。

①テイフルトウトのカスバ(要塞)
②フィントのオアシス
③アイト.ベン.ハツドウのクサル(要塞化された村)

特に③は1987年に世界遺産に登録されている。

『ソドムとゴモラ』、『ナイルの宝石』、『ハムナプトラ2』、『プリンス.オブ.ペルシャ』の撮影にも使用された。

いずれの場所もバスは通じておらず、市街からは西へ8キロと33キロ、南へ15キロと離れている。

これではタクシーをチャーターするしかない。

交渉して5時間500DH(6000円)で回ってもらうことにした。

運転手の名前はイドリス。

イドリスのお勧めで三ヵ所の他にアトラス スタジオを最初に見学した。

広大な敷地にチベットや古代エジプトの宮殿、エジプトの石柱、モロッコの古い家や庭、

グラディエーターで使われた磔の壁などの撮影セットを見ることができる。

ほとんどが木材の枠ぐみに発泡スチロール、粘土、竹や紙といった

安価な材料を貼りつけたフェイクだが見事に再現されていた。

①テイフルトウトのカスバ(要塞)。

風雨に晒されて原形をとどめていない砦跡、

この建物がアラビアのロレンスのロケに使われたと書いてあつたが、

そのシーンを思い出せない。

②フィントのオアシス

カスバを出てさらに南へ向かう。大規模な住宅開発地を抜けると砂漠が広がっていた。

最初は舗装道路を100キロ近いスピードで走っていたが、

石だらけのでこぼこ道に入ると、途端に10キロにスピードダウン。

砂漠の中、曲がりくねつたワインデインクロード。

オアシスの入口近く、巨大な岩山が奇っ怪な形でそそり立っていた。

溶岩が固まった黒い岩山は、巨大な蛸のツルツル頭のように見えたが、

裏に廻ると山の頂上から岩が崩れ落ち、断崖となっている。

おっ、おっ!!思い出したぞ。


スクリーンに映る巨大な断崖絶壁の岩影に小さな人影。

ズームインすると、白いアラビア衣装をまとったロレンスが右手に拳銃を持ち、

その手を高くかかげて、号令とともに手を振り下ろすと、


隠れていたアラブ部族の騎馬隊がトルコ軍の列車に向かって、奇声を発っしながら襲いかかる。

今もその岩影にロレンスが隠れていて、拳銃をかかげて襲ってくるのではないか、

そんな錯覚におそわれた。


入口にはきれいな水が流れている小川。

名前を知らない鳥たちが水を求めてやって来て、羽を休めている。

人間にとっても貴重な水、オアシスのオアシスたる所以の清流。

足首ほどしかない深さの川と乾いた川床を車で渡ると、

ヤシの木におおわれた狭い道、車一台分の幅しかない。

先には道がない高台のホテル。そこのレストランで涼をとる。

眼下にはヤシの木に囲まれた小川、その先には赤茶けた色の民家が集落を作っている。

岩山に囲まれた谷間にある集落は数えると4つ。


③アイト ベン ハツドウのクサル

西へ33キロ行った先にある村へ続く道も、砂漠の中の一本道、

すべて舗装されていて、高速道路なみにぶっとばして走る。

道路脇のレストラン前で待つという運転手に1時間後に戻って、と言われ歩き始めた。

クサルに入る前にながれる川に細い橋がかかっていて、

渡りきるとクサルの頂上へと向かう村中の道に入る。


夕方の6時、オレンジ色を帯び始めた陽の光が、クサルを同じ色に染めている。

頂上に登り眼下に広がる砂漠や村々を眺め、感嘆符がついた息を吐き出してから、道を下る。

最初にあった橋から水の流れていない小川の川床へ。

ここから見ると、クサルは丘の斜面にそつて階段状に建てられているのが良く分かる。

ただここでは、どんな映画のシーンも思い浮かばなかった。

日本に帰ったら、いの一番に『アラビアのロレンス』を観よう。

時間のある時に他の映画も観て、あ~あ、かの地に立ったよなと思い出そう。

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