フアイサル青年

2017年6月30日(金)

ワルザザートからトドラ渓谷へ向かうためにバスターミナルへ。

カウンターでリュックを預けた後、ベンチで文庫本を読んでいたら、

「日本からですか?小説読んでますね」と日本語で声をかけられた。

「小説」なんて難しい単語を日本語で言えるモロッコの青年?

身長185センチ、今どきの継ぎはぎGパンに赤いキャップ、、熊五郎ひげをたくわえた顔にサングラス。

チリのバスターミナルで盗難に遭った苦い経験から、ここは無視することにした。


「バスはあっちの入口から入ってください、もうすぐ出発しますよ」

入口を間違えて待っていたらしい。

さっきのモロッコ青年に声をかけてもらわなければ、

リュックだけがバスに乗り、持ち主は置いてけぼりをくうところだった。

急いでバスに乗りこんだ。青年は後ろの席に座った。

1時間ほど走ってバスが停まり、運転手がモロッコ語で何か話すが、分からない。

後ろから青年に「休憩は20分です」と教えられた。

休憩場所で青年に
「さっきはありがとう、乗り遅れるところだったよ」

「声をかけて無視されたけど、きっとヤバいモロッコ人だと思っているんだろうな、

と思ってました。本当にヤバい人もいますから」

少しモロッコでの旅の予定を話すと、やけに詳しい突っ込みをする。

仕事は?と聞くと、日本人専門のツアーガイドだった。

カサブランカにあるモロッコクラブトラベルと言う旅行会社の契約ガイドで、

ガイドの仕事が終わって、これから自宅のあるフエズに戻る途中だった。

ガイドした老夫婦や新婚カップルの写真を見せてもらう。

話しをするうちに「青年」の前に「好」の字をつけても大丈夫だと確信した。

お互い自己紹介。

こちらの名前はRay、青年の名前はフアイサル、サウジアラビアにそんな名前の国王がいた。

すぐ覚えられる名前だ。

静岡で五年働いて日本語を覚えたそうだが、それにしては流暢な日本語を話す。

休憩後のバスでは隣にきてもらう。

今日から日本人の女性オーナーが経営する宿に3泊する予定だ。

そこで砂漠ツアーの情報を教えてもらい、予約を入れるつもりだつた。


それならうちの会社の砂漠ツアーはどうですか、

日程はこれこれ、料金はこれこれ、ついでと言っては何ですが一緒に廻りますよ。

会社でのガイド料金は一日につき1万円てすが、レイさんのほうから、言ってもらって結構です。

それならと、こちらの条件は、

トドラ渓谷の宿代はこちら持ちで、一緒に三泊する。その間のガイド料は一日1000円。

その後砂漠ツアーを含め、四日間一緒にまわつて、ガイド料金は一日7000円でどうですか?

契約はすんなりと口約束で成立した。

これから1週間フアイサルと旅をすることになつた。



バス停からタクシーに乗ってトドラ渓谷の日本人宿に着いたのは午後6時。

部屋はトリプルベッドにフアイサルと相部屋。

他には同じ部屋タイプに若い女性が三人泊まっていた。

この宿は、オーナーののりこさんが日本食を出してくれることでネットで評判になっている。

今夜は鳥のからあげだ。

聞くと、ビールは提供出来ないらしい。

フアイサル、ビール買いに行こう!

同宿の若い娘に、ビールを買いに行くけどいる?

と声をかけたら、一人は飲まないので二本お願いしますと言われた。

フアイサルの会社が利用しているホテルにバーがあるから、そこで買おうということになり、

30分歩いてバーまで行ったが、売るのは出来ないと断られた。

どうする?フアイサル、

町まで戻って買うしかないですね。

合乗りタクシーで町まで戻り、酒を売ってくれる店を聞き、ようやくビールを確保できた。

タクシーに乗って宿に戻ったのは出掛けてから一時間半もかかっていた。

ちようど唐揚げができあがり、きゅうりの酢の物、

白いご飯に味噌汁が並べられているところだった。

若い娘たちに、ビール、買ってきましたよ。ハイネツケン。

私たち、地元のビールだと思ってたんですけど、ハイネツケンならどうも、、、、

あっ、そうですか、自分が飲めますから大丈夫ですよ。

久しぶりの日本食にビール、わさび振りかけをかけた白ご飯に味噌汁は美味しかった。

食事が終わって部屋に戻ったフアイサルが、開口一番、

あの娘たちは失礼ですよ。なんの礼も言わずに断るなんて、

イスラム圏に来てお酒を飲むのは大変なんですから、、、

これまでもそれで苦労してきたから良く分かる。

フアイサルが憤ったことで、こっちの気持ちが慰められた。


良い付き合いができそうな予感がした。





コメント

失礼極まりないo(`ω´ )o
許しがたい三人娘ナリ

どこの国の人ですか?まさか日本人じゃないですよね?

きっと隣のアイツらだな
きっとそうだ

きっとファイサルが夜な夜なお仕置きに…

朝起きたら一人減り
次の朝にはまた一人減り
そして誰もいなくなった…


真相は

人の良さそうな日本人のおっちゃんで安心させて近づいて大柄な青年モロッコ人が襲いかかる新手のスリか強盗と思われたんじゃ^_^
明らかに不自然なコンビにいきなりビールご馳走してもらうなんて危険なニオイが

rayさんも最初ヤバイモロッコ人と思って無視したわけだから今度はrayさんがヤバイと思われてビール無視されたんじゃ

つまらない事はグビグビっとビールに流して忘れましょ〜

ウィンブルドン始まりました
コリ好発進
見れますか?イメトレしておいて下さい
テニス忘れないでね〜

コメントの投稿