佐野学:亀田義塾「亀田郷をつくった人々」

亀田学会という会がある。亀田について、その歴史や文化を研究する会だ。

その会が亀田郷についての知識・哲学を学ぶ講座、

「亀田義塾」を開講している。(聴講費¥500円)

第4期にあたる今年のテーマは「亀田郷をつくった人々」

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各月のテーマは

5月、「ワールドカップ新潟大会における『おもてなし』
   講師:上山 寛 / 上山アトリエ代表

6月、「亀田郷の大地で農業と共に生きる」
   講師:杉本克己 / ㈱亀田郷農産物直売所 社長

7月、「佐野藤三郎学」
   講師:藤井大三郎 / 田園まちづくりアドバイザー

9月、「新発田藩の憂鬱と松ヶ崎開削」
   講師:本田典光 / 亀田学会水環境研究員

10月、「亀田郷の食文化」
    講師:古野間 久嗣 / 日本料理店「倉久」店主

11月、「亀田郷の防災」
    講師:斎藤 昭 / 江南区郷土資料館館長

12月、「亀田郷の伝統的建築物の保存と再生」
    講師:伊藤 純一 / 新潟まち遺産の会事務局

などなど、多彩である。



7月12日の亀田義塾に出席して講話を聴いた。

今回のテーマは亀田郷土地改良区の理事長として

多大な功績を残した佐野藤三郎について。


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講師は佐野藤三郎から永年まじかに教えを受けた、藤井大三郎さん。

亀田郷土地改良区で事務局長をされた方で、今は新潟市役所内の

都市政策部で「田園まちづくりアドバイザー」をされている。

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昨年も佐野学について語られたが、前回は彼の生い立ちから始まり、

芦沼とよばれた亀田郷の田んぼをいかに美田に変えたか、

新潟地震の被害や地盤沈下問題にどう立ち向かったか、

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(新潟地震後、新潟県農地部長に河川改修を要望する佐野藤三郎)

倒産寸前の土地改良区の財政をどう立ち直らせていったかなどであった。



今回は彼が晩年、力をそそいだバイオマス事業についての講話である。

再生可能資源を活用することにより、地球温暖化対策と未来農業の姿を目指す

事業の理念とその技術の紹介が、その主な内容であった。

バイオマス画像2

バイオマスを簡単にイラストで表すと上の絵になる。

佐野藤三郎は、減反対象の田んぼや耕作放棄地などに

サトウモロコシを植えて収穫したり、稲刈後の稲ワラを利用して、

バイオマス燃料として活用することを考えた。

実際、平成3年には大江山地区の田んぼにサトウモロコシを植え、

三菱重工業・広島工場で再生プラントを製作し、バイオマス生成の実験を行った。

10Rの田んぼから米であれば600kgしか収穫しないが、

サトウモロコシはその20倍の12トン収穫できる。

亀田郷で回収可能な稲ワラ3,000トンを再生利用すれば、

935キロリットルのメタノールを生成できることも分かった。



平成6年に佐野藤三郎は急逝するが、彼が取り組んだバイオマス事業は

新潟県が進めるバイオマス・ニイガタ ~21世紀のエネルギーは農地から~や

全国土地改良事業団体連合会が進める水・土・里ネット ~地域資源管理~

などの形で、現在でも脈々と引き継がれている。


記:Ray次郎

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